タップダンスが特別な理由3つ

タップダンスは特別なダンスです。

タップダンスを踊れるようになれば、あなたは様々なシーンで特別な輝きを得ることができます。

それは何故か?

この記事では、タップダンスが特別である理由3つを分かりやすく解説します。

タップダンスが特別な理由3つ

タップダンスが特別な理由①数少ない音を鳴らすダンス

音を鳴らすダンスといえば、タップダンスとフラメンコくらいですよね!

ソーラン節とか、メキシコの「ウーマンボッ!」て言いながらマラカス振って踊るやつとかは知りません。

そういうのはなんかちょっと違うというか、除外しても問題ないと思います。



踊りながら足音によって音楽を表現するというダンススタイル自体が、既に特別なんですよね。




だってストリートダンスにはヒップホップ、ブレイク、ハウス、ロック、ジャズ、ポッピン、アニメーションなど、沢山のジャンルがありますが、その中の一つとして音を鳴らしながら踊るダンスはないんですよ?




これ実際にイベントとかに出てみると分かるんですけど、上手い下手は別にして、ただタップシューズ履いてるだけで

「へえ、タップダンスかあ」

ってなんか皆の関心や視線を引けるわけなんですよ。




それだけ、「音を鳴らすダンス」というジャンル自体が特別なわけです。

これがタップダンスが特別な理由の一つ目です。

タップダンスが特別な理由②人口が少ない

一昔前に比べれば、日本でのタップダンスの知名度はぐんと高まりました。

メディアでもタップダンスが取り上げられることが増えました。




しかしそれでもまだ、他ジャンルのダンスに比べれば、タップダンスはマイナーなダンスです。

プロのタップダンサーの数も、タップダンスを習う生徒さんの数も、他のダンスに比べれば格段に少ないのが現状です。

それには知名度だけでなく、板や防音の空間が必要になるという設備的な問題も関係しています。




いずれにせよ、日本におけるタップダンス人口がまだ少ないのは事実です。

ということは、「タップダンスが踊れる」ということには、それだけで希少価値があるわけです。

少なくとも、今の日本では間違いなくそうです。




反対に、ストリートダンスやバレエの人口はかなり多く、ちょっと踊れるくらいでは大した特技とはみなされません。

また、ストリートダンスでは日本人の世界チャンピオンなんかも結構います。

チャンピオンでなくとも、世界レベルのダンサーは大勢います。

それだけ日本のストリートダンスの世界はレベルが上がってきているのです。




その分やりがいもありますが、当然のことながら頭一つ抜き出るには相当な才能と努力が必要です。




単純にポジションを取りに行くなら、人口の少ないタップダンスで頑張るのは悪くない選択ですよ。




しかもタップダンスは音が出る楽器の要素も持っているので、他ジャンルのダンスとは明確な違いがあり、そういう意味でもポジションが被ることはありません。

むしろコラボの対象として選ばれやすく、様々なジャンルのダンサー、ミュージシャンと一緒にパフォーマンスできるチャンスがあります。

人口が少ないから、希少価値が生まれる。

これがタップダンスが特別である二つ目の理由です。

タップダンスが特別な理由③人類の負の歴史を乗り越えてきたダンス

ここまで書いてきたタップダンスが特別な理由は、音を鳴らすというタップダンス独特の表現形式に関係したものでした。




それも大切なことなのですが、それ以上に重要な、タップダンスが特別である本当の理由があります。

それは、タップダンスが人類の負の歴史を乗り越えてきたダンスであることです。




タップダンスの起源は、アフリカから奴隷として欧米に連れてこられた黒人達にあると言われています。

彼らは白人の奴隷主達に、踊ることや歌うことを禁止されていました。

踊りや歌で黒人達の士気が高まり、それが暴動の原動力になったことが何度もあったからです。

白人の奴隷主達は、黒人達の魂とも言える歌や踊り禁止することで彼らの希望を奪い、完全に服従させようとしたのです。




当時の黒人奴隷達の扱いは、家畜と同等や、それ以下だったとも言われています。

しかし、黒人達はそんな絶望的な状況の中でも、簡単には希望を失いませんでした。




彼らは歌や踊りの代わりに、裸足を地面に打ち付ける音で自分の気持ちを表現するようになりました。

これがタップダンスの起源となったと言われています。




奴隷制が廃止された後も、黒人達は厳しい人種差別の目にさらされ続けました。

それでも彼らは人間としての誇りを失わず、明るく前向きに生きる精神を失わずに強く生きてきました。

タップダンスは、そういう不屈の精神を持った黒人ダンサー達が踊りついてきたダンスなのです。




ハリウッドでミュージカルが全盛だった頃、スクリーンの中で踊るのは白人の俳優ばかりでした。

フレッド・アステアやジーン・ケリーは名実共に素晴らしいスターでしたが、彼らにタップダンスのステップを教えたのは、実は黒人ダンサーでした。


しかし黒人が映画スターとしてスクリーンに映ることは許されず、素晴らしい黒人ダンサーが沢山いたにも拘らず、彼らは長い間日の目を見ることはありませんでした。




それでも、彼らは腐ることなく、夜な夜なクラブやバーで本物のステップを守り続け、次の世代にタップダンスを伝え続けました。

現代を生きるタップダンサー達は、彼らのことを尊敬の念を込めて「マスター」と呼びます。

スター・ウォーズのジェダイの騎士みたいで、格好良いですよね(笑)




でも冗談抜きで、彼らはジェダイの騎士並みのフォースの使い手ですよ。

彼らがようやく日の目を見たのは、グレゴリー・ハインズが主演を務めた映画「TAP]でした。




トニー賞を受賞するなど大スターであったグレゴリー・ハインズは、マスター達が踊り継いできた本物のタップダンスを世に知らしめるべく、彼らを映画に引っ張り出したのでした。

マスター達は当時、六十を超える高齢者の方もいましたが、若者でも踊れないような超絶ステップをいとも簡単に踏んでいます。

映画TAPより、グレゴリー・ハインズと、サミー・デイビス・ジュニアのタップダンスシーン(サミー・デイビスは長く全米の大スターでしたが、人種差別と闘い続けてきたことや、タップダンスを踊り続けてきた人生を考えると、偉大なマスターの一人と言えます)周りを囲んでいるのが、マスター達です!


そのシーンを見てタップダンスに憧れ、現在プロのタップダンサーとして活躍している方も少なくありません。




タップダンスは現在、華々しいショーダンスとして知られていますが、実はその起源や奴隷制や人種差別という人類の負の歴史にあったのです。

しかしその人類の深い闇に屈することなく、今日まで多くの人々の心に明かりを灯し続けてきたのです。




実際に観てみたり、自分で踊ってみたりすると分かるのですが、タップダンスは非常にメッセージ性の強いダンスです。

自分の気持ちがそのまま足音に現れ、普段僕達が使っている言葉よりもダイレクトに、聞いている人の心に届きます。




それは厳しい時代の中を誇りを持って強く生き抜いてきた黒人達が、不屈の精神を訴えるために試行錯誤してきたダンスだからです。

だからこそ、タップダンスは他のダンスとは違った特別な輝きを持っているのです。

これがタップダンスが特別である理由の三つ目です!

タップダンスが特別な理由 まとめ

①数少ない音を鳴らすだんすだから、タップダンスは特別!

②人口が少ないから、タップダンスは特別!

③人類の負の歴史を乗り越えてきたダンスだから、タップダンスは特別!